刑法が定める刑罰の規定に違反した者を処罰するための、捜査と裁判の手続きを規定した法律。刑法とともに、日本の法体系の中心である六法(ほかに憲法、民法、商法、民事訴訟法)の一角を占める。附則を除いて全7編507条からなるが、職務質問などの捜査手段については警察官職務執行法など、裁判用語や裁判の経費などについては裁判所法など、具体的な手続きはそれぞれ別の法令に定めがある。第二次世界大戦後の1948年に成立した現在の刑事訴訟法(新刑訴法)は、1890年制定の旧刑訴法を、GHQ(連合国軍総司令部)の意向を受けて改正した法律である。2009年2月、法務省の法制審議会刑事法部会は、殺人罪の公訴時効廃止などの新制度について要綱骨子案を決定したが、一定期間を経過した後の起訴を認めない公訴時効の制度は、刑訴法第250条にその定めがあり、新制度の実現には刑訴法の改正が必要となる。要綱骨子案には、殺人など法定上限が死刑の罪の公訴時効を廃止(現行は25年)、強制わいせつ致死など上限が無期懲役の罪の公訴時効を30年に(同15年)、傷害致死など上限が懲役20年の罪の公訴時効を20年に(同10年)、その他の懲役・禁固刑の罪の公訴時効を10年に(同5年)するとした改革が盛り込まれた。