国連人道問題調整事務所(UNOCHA)内に事務局を置く国連の非公式協議機関。大規模な災害時などに各国の救助・救援チームが連携して効果的な活動ができるよう、さまざまなルールや体制作りなどを行っている。1988年に発生したアルメニア大地震で、当時、国際的な救援ルールが定まっていなかったため、緊急事態が収束してからも各国の緊急援助チームが続々と現地入りするなど、被災地であるアルメニア共和国では大きな混乱が起きた。そのときの教訓からUNOCHAが国際緊急支援を行っている各国に呼びかけて組織化、1991年にインサラッグが発足した。近年では、災害救助犬の認定基準などもインサラッグで議論されている。2010年3月、日本の国際緊急援助隊がインサラッグが実施する国連の能力評価試験「IEC試験」に初めて挑戦し、最上級の「ヘビー」を取得した。IEC試験では援助チームの能力を「ライト」「ミディアム」「ヘビー」の3段階に分け、ヘビーでは、24時間体制で10日間の連続活動が可能な能力や、被災地で独自に活動できる総合力などが求められる。アメリカやイギリスなど11カ国の援助チームがヘビーの認定を受けている。なお、日本の国際緊急援助隊は、警視庁、海上保安庁、消防庁、医療関係者などから約70人が参加している。