外国の要請により、その国の刑事事件の捜査に必要な証拠を提供することで、具体的には、証拠の取得、見分、所在地の特定や受刑者の移送など。ただし、日本では、外国の要請があっても、政治犯罪の捜査、あるいは日本の法令で罪に当たるものではない場合は、共助を行うことはできないことが法的に定められている。捜査共助を互いに義務とする刑事共助条約を結んでいる国の間では、捜査当局同士が直接やりとりできるが、条約を結んでいない国との間では、外交ルートを通じた手続きが必要となる。日本は、共助件数の多いアメリカ、韓国、中国および香港との間で刑事共助条約を締結し、ロシア、欧州連合(EU)との間でもすでに署名を行い、2010年4月に国会で承認を得ている。国際的な捜査機関の協力としては、捜査共助のほかに、国際刑事警察機構(ICPO)を中心として、国際犯罪についての情報交換などを行う「国際警察間協力」がある。10年10月に国際テロに関する警視庁の内部資料が流出した事件について、警視庁はアメリカやルクセンブルクに捜査共助を要請、通信記録の提供を求めている。