東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)を、発生県以外で処理すること。対象となるのは、岩手県と宮城県の沿岸部の安全性が確認されたものに限られ、東京電力福島第一原子力発電所事故が起きた福島県のがれきは除く。がれきの放射性セシウム濃度の目安は、可燃物の場合、焼却炉の型式に応じて1キログラム当たり240~480ベクレル以下のものとしている。震災がれきの量は、岩手県で通常の約11年分、宮城県で通常の約19年分に相当し、当該被災地だけでは処理能力に限界があり、復興への支障となっている。こうした状況を受けて、東京都が2011年11月に岩手県宮古市のがれきを受け入れ、処理を開始。青森県、山形県の自治体がこれに続いたが、多くの自治体が受け入れの意向を表明するものの、実際には放射性物質への懸念から住民が反発し難航している。そこで野田佳彦首相が震災1年となる12年3月11日に、11年8月に成立した災害廃棄物処理特別措置法(東日本大震災により生じた災害廃棄物の処理に関する特別措置法)に基づき、全国の自治体にがれき広域処理の協力を文書で要請する考えを表明。同16日、すでに受け入れを表明している自治体を除く35道府県と10政令指定都市に要請書を発送した。同法には、災害廃棄物の処理が迅速かつ適切に行われるよう、国が市町村および都道府県に対し必要な支援を行うことなどが規定されている。