けがや医療行為以外の原因で肺の一部が破れ、漏れた空気が胸腔内にたまり、肺がしぼんでしまう病気。原発性と続発性の2種類がある。原発性自然気胸は、肺組織や肺を包む胸膜の一部にのう胞という小さな空気の袋ができ、それが破裂することにより起こる。10~20代で、背が高く痩せた男性に多く、ストレッチ運動、大声発声、肺の内圧変化をともなうダイビングや登山中などに起こりやすいが、安静時に発症するケースも多い。続発性自然気胸は、喫煙が主原因とされる肺気腫(COPD)、結核の後遺症である気腫性肺のう胞症など、他の肺の病気に合併して起こる気胸で、50~60代の中高年に好発する。主な症状は、胸の痛み、息切れ、乾いたせきなど。重症の場合は、血液中の酸素濃度が不足し、危険な状態に陥る。治療は漏れ出た空気量や、肺のしぼみ具合で異なるが、軽い場合は安静にしていれば自然治癒する。中程度以上では、胸腔にチューブを挿入して排気を行ったり、外科手術で患部を切除整形する。