親が育てられない新生児を、匿名のまま緊急避難的に預かる設備。2006年12月、熊本市の医療法人聖粒会慈恵病院(蓮田晶一院長)は、「こうのとりのゆりかご」と名付けた、いわゆる「赤ちゃんポスト」の設置を市に申請した。「捨て子を助長する」といった批判のほか、刑法や児童福祉法などに触れる可能性が指摘されたが、07年2月末に厚生労働省は容認の見解を提示。それを受けて熊本市が4月5日に申請を許可した。病院の外壁に、保育器へ直接つながる窓口を設け、赤ちゃんが置かれると職員に通報される仕組み。ドイツやイタリアの先例があるものの、国内では初の試みとなる。