通常の閉経年齢(45~55歳ぐらい)に達しない40歳未満のうちに卵巣機能が低下し、月経がなくなる女性特有の病気。早発卵巣不全ともいう。遺伝子や染色体の異常、自己免疫疾患、抗卵巣自己抗体と呼ばれる特殊な抗体の増加によるもの、などの原因が考えられるが多くは不明。医原性といって、がんの化学療法や放射線治療、卵巣手術などに関連して発症することもある。罹患(りかん)率は30歳未満の女性で1000人に1人、40歳未満では100人に1人とされ、月経が一度も来ない原発性無月経患者の5~10%にも見られる。経過は月経周期の不順を初期症状とし、やがて卵巣機能が低下すると、卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)が下垂体から大量放出され、大抵はその段階で発覚・診断される。無月経になると女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下し、更年期後のように様々な不調が現れる。有効的な治療方法はないが、将来的に骨粗しょう症、心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞の原因にもなりうるため、外部からホルモンを投与するカウフマン療法やホルモン補充療法(HRT)などが行われる。