東京都が2013年度から新たに取り組む、独自の保育事業で、定員6人以上19人以下の小規模保育を対象とする。厚生労働省によると、保育所に入ることができない「待機児童」は、12年4月時点で全国に2万4825人、都内に7257人存在する。この問題を解消するために、猪瀬直樹東京都知事が13年1月の記者会見で「スマート保育」の構想を発表した。これまで、都における保育事業は、主に定員5人以下の「家庭的保育」(保育ママ制度)と、定員20人以上の「認可保育所」、「認証保育所」の三つで分担されてきた。このうち、厚生労働省が定めた基準を満たし、国や地方自治体の補助を得られる保育所は、「家庭的保育」と「認可保育所」。「認証保育所」は、子ども一人あたりに提供する床面積や、開所時間などの面で、より大都市に適応した都指定の基準を満たすことで都の補助を受けることができる保育所である。これら3種類の保育所の中間にあたる小規模保育に関しては、補助が充実していなかった。このため都は、空き部屋、空き店舗、空き公共施設などを活用して、定員6~19人の小規模保育を促進する市区町村を支援。2年間で0~2歳児1000人分の定員の確保を目指し、保育所の開設費や運営費などを補助するとして、13年度予算案に約5億2900万円を計上した。13年3月には、待機児童を抱える母親たちからの異議申し立てを受けている東京都杉並区が、ほかの市区町村に先駆けて同事業の導入を決めた。