手術や各種検査など、医療行為を受けることが主目的の旅行のこと。特に、シンガポール、インド、タイ、マレーシアなどの東南アジア諸国では、先進諸国より安い費用で高度な医療を提供できることを売りに、治療目的の外国人誘致に力を入れている。たとえばシンガポールでは、2003年に「シンガポール・メディシン」と名づけたキャンペーンを打ち出し、国と医療業界が一体で「メディカル・ハブ」(医療の拠点)としての地位を確立すべく取り組んでおり、12年までに年間受け入れ患者数を100万人まで増やすという。インドでは、05年から治療目的の外国人に対する「メディカル・ビザ」を発行、一般よりも長期の滞在を可能にしている。このような、医療を観光資源と捉えた積極的な外貨獲得策が、各国で繰り広げられている。