正式には「探偵業の業務の適正化に関する法律」(2007年施行)。この法律で探偵とは、他人の依頼を受けて、特定の人の所在や行動について面接・張り込みなどによって情報を収集し、調査結果を依頼者に報告する業務を行う者をいう。いわゆる興信所、探偵事務所、調査会社などを指す。ただし「他人の依頼」のないものや、マスコミの依頼で報道用に行う取材活動や、学術調査のために行う活動などは、その業務には入らない。一方、探偵業を行うにあたり、あらかじめ警察を経由して都道府県国家公安委員会への開業届出書の提出を義務付けている。さらに、禁固刑に処せられてから、あるいは暴力団の構成員をやめてから、それぞれ5年を経過しない者などは探偵業を行うことができないとする欠格事由も設けられている。この法律の施行以前には、許認可制も届け出制もないことから、誰もが自由に「探偵」を名乗ることができた。しかし探偵業にかかわるトラブルがあとをたたず、盗撮や盗聴で得た情報をもとに恐喝を行う事例や、調査依頼したものの法外な費用や追加料金を請求されたり、調査結果が粗悪であるなどの苦情が国民生活センターに年間1600件以上も寄せられていた。探偵業法の施行により、これらに関する苦情は08年度1225件、09年度833件(前年度同時期が938件、10年2月16日現在)と減少し、一定の効果をみせている。しかし、離別を望む夫婦の一方の要望を実現するために、素性を偽って夫婦(男女)の一方と関係を結んで離別工作を行う別れさせ屋」の行為が違法性が高いとして、10年、警察は「探偵業法」で規制する方針を決めている。