法的な定義はなされていないが、一般的なとらえ方として、高齢者が自分自身の健康や安全を損なう行為を続けている状態を指す。「自己放任」という訳語も用いられる。具体的には、食事や水分を取らない、必要な医療や介護サービスを受けない、食べ物やごみを放置する、汚れた衣服を着続けているなど、衣食住に関して生活上当然すべき行為をしていない状態。また家に閉じこもって外に出ず、近所とのつきあいを持たない状態もセルフネグレクトとみなされる。孤独死や、いわゆる「ごみ屋敷」につながるおそれがあり、多くの自治体が喫緊の課題としているが、実態の把握に困難が伴うことに加え、福祉や介護の職員などが手を差し伸べても本人に拒まれることが少なくないため、社会的支援が及びにくいという性質を帯びている。