暑さに体が順応すること。順化(馴化)とは、環境の変化に慣れること。数日から数週間の時間をかけて暑さに慣れることを短期暑熱順化と言い、熱帯や亜熱帯地方で暮らすことで数年から数世代をかけて暑さに慣れることを長期暑熱順化と言う。熱帯などに暮らす人々は、体温調節のために発汗する汗腺(能動汗腺)の数が日本人などに比べて多く、汗の量は少ない。また、汗に含まれる塩分濃度も低い。手足が長く、体重当たりの表面積が広いのも、体熱の放散に有利だからだと言われている。一方、四季のある日本では、春から夏にかけて少しずつ暑さに体を慣らす必要があるが、エアコンの普及や運動不足などから汗腺が機能しなくなり、体温調節機能が落ちている人が増えている。熱中症にかかるリスクも高くなるため、積極的な暑熱順化が必要だと言われている。具体的には、適度な運動やサウナ、半身浴などが効果的で、汗腺の働きが良くなると汗とともに出る塩分も減り、暑さによるストレスも軽減される。