バリ島で開かれたCOP13(国連気候変動枠組み条約締約国会議)で採択された、ポスト京都議定書作りのための行程表。2013年以降の新しい温暖化ガス削減の枠組みに向けて、交渉の進め方や討議項目、スケジュールなどが定められた。そのおもな内容は、(1)IPCC(気候変動に関する政府間パネル)第4次報告書の「人為的原因による温暖化」の指摘を事実と認めて対応、(2)温室効果ガスの大幅削減の必要性を認識、(3)09年のCOP15で新たな枠組みに最終合意、(4)すべての先進国が報告・検証可能な排出削減を検討、(5)途上国は持続可能な発展を考慮しつつ報告・検証可能な排出削減を検討、(6)気候変動枠組み条約の下で新設する特別作業部会で内容を協議、など。08年4月に開始となる作業部会では、排出抑制策、途上国の被害防止策、途上国への技術支援と技術開発、支援・協力のための資金と投資、の四つを構成要件に協議が進められ、産業分野別に国際連携して削減目標を掲げるセクターアプローチなども検討される。作成案からは数値目標が削除されたものの、バリ・ロードマップでは、京都議定書に不参加だったアメリカ、中国、インドなどの主要排出国を含む、すべての締約国が参加する枠組みへの道筋が付けられた。