政府管掌健康保険は、健康保険組合に加入していない中小企業で働くサラリーマンなどが入る健康保険。略して「政管健保」と呼ばれる。加入者は約3600万人。政府が運営主体で、事業の運営は社会保険庁が行っている。社会保険庁の廃止に伴い、2008年10月に新設される公法人「全国健康保険協会」に継承され、「全国健康保険協会管掌健康保険」に変わる。愛称は公募により「協会けんぽ」に決まった。全国健康保険協会は、全国の都道府県に支部を置き、保険給付や健診などの保健事業を行う。非公務員型の民間法人だが、公の事業を運営するため、解散を認めない法人として政府によって設立される。
08年4月から開始された後期高齢者医療制度により、65歳以上の高齢者の医療費をまかなうための支援金を65歳未満の被保険者が負担することになり、保険料率の引き上げが相次いでいる。その結果、財政悪化に陥る健康保険組合が急増し、08年4月以降、西濃運輸健康保険組合や京樽健康保険組合など13の組合が解散、政管健保に移行した。健康保険組合連合会(健保連)によると、07年度は5年連続の黒字決算になったが、支援金の大幅な増加で収支は大幅に悪化、赤字の組合は4割を超え、政管健保の保険料率8.2%を超える組合が全体の16.7%に達した。08年度は約1500ある組合の9割が赤字になり、今後もさらに厳しい状況が続くのではないかと懸念されるという。