抗原と混ぜて体内に投与することで、投与した抗原に対する免疫応答を強化する物質。ワクチンに免疫補助剤を混合することで、ワクチンの効果を高めることができるので、同量のワクチンをより多くの人へ接種することが可能になる。新型インフルエンザの流行に備えて、日本国内でもワクチンの製造が進んでいるが、2009年度内には1800万人分しか確保できない。このため、厚生労働省はワクチンの緊急輸入を決定、09年9月11日、ヨーロッパのメーカー2社から約5000万人分のワクチンを確保したと発表した。しかし、輸入予定のワクチンには免疫補助剤が使われていること、日本では過去に免疫補助剤を使ったワクチンを使用した例はなく、副作用も懸念されるなど、不安材料も多い。こうしたことから、スイスのノバルティス社は、9月16日から鹿児島県などの成人約200人に同社の輸入ワクチンを接種する臨床治験を実施、ワクチンの安全性と有効性を確認する。