重症の救急患者をへき地から都市部の専門の医療機関に搬送する、医師が搭乗したジェット機。2010年9月6日に、全国で初めて北海道で試験運航が始まった。医療機関、大学、自治体などが参加する北海道航空医療ネットワーク研究会が主体となり、中日本航空が運営。北海道ではヘリコプターに医師が搭乗するドクターヘリがすでに運航しているが、夜間の運用ができないなど、飛行条件や飛行範囲に制限がある。ジェット機は空港間でなければ搬送できないという欠点があるが、悪天候下や長距離の輸送も可能なため、ドクターヘリの欠点を補う活躍が期待されている。今回の研究運航では、通常は10人乗りの小型ジェット機の内部を、患者を運ぶ搬送台(ストレッチャー)をそのまま乗せて搬送できるように改造。酸素吸入器などの医療機器も搭載し、患者のほか医師と看護師ら4人を乗せることができる。同年10月5日まで運航し、課題などを検証する予定。