信託銀行を通じた認定NPO法人などへの寄付に、税制上の優遇措置をとる制度。寄付が盛んなアメリカで生まれたプランド・ギビング(Planned Giving)という仕組みをもとに、2011年度の税制改革で新設された。寄付希望者が信託銀行に寄付したいお金を預けると、信託銀行は、前もって寄付契約をした認定NPO法人や公益法人などに、そのお金と利子を5~10年間、一定額ずつ計画的に寄付する。利子が寄付になるため非課税となり、毎年の寄付金の半額が所得税や住民税額から直接「税額控除」として控除の対象となるため、寄付者にとっての減税効果は高い。また、寄付者が死亡した場合は残額がすべて寄付されるため、相続税がかからない。寄付者は元本の30%を上限に、毎年一定額を年金のように受け取ることもできる。寄付金の使い道や活動内容は、寄付を受けた団体から、信託銀行を通じて寄付者に報告される。受付金額は10万円からのものもあり、手数料も取られない場合が多い。利殖目的ではないため、信託銀行は投機的な投資はせず、安定的な運用を行う。信託協会の調査によると、「寄付したいと思う団体があればしたい」と答えた人は68%におよんだが、実際に寄付した人は31%に過ぎなかった。新制度により、どの団体に寄付してよいかわからない、寄付金の使い道が明確かわからない、などの問題が解決し、高額所得者やシニアの人たちが、安心して寄付できるようになることを目指している。