書籍や雑誌、論文など、これまで紙媒体で提供されていた情報をデジタルデータで保存し、インターネットに代表されるネットワークを介して閲覧を可能にするサービスの総称。テキスト形式の文字情報だけでなく、写真やイラストなどの画像データ、映画などの映像・音楽データといったマルチメディアデータも扱うことができ、時間や場所に関係なく閲覧ができる。また、希少だったり、劣化が進んだりしていることを理由に公開されなかった資料などの場合は、画像化することで閲覧が可能になるというメリットもある。サービスの形態としては、国立国会図書館のように、サービスを提供するウェブサイトにパソコンなどからアクセスして、画像化された資料をウェブブラウザーで閲覧する方法と、青空文庫のように、著作権保護期間が終わった書籍などをテキスト化してダウンロードし、自分のパソコンやスマートフォンなどの端末で読む方法の2種類に分かれる。国立国会図書館では、1990年代より電子図書館プロジェクトを開始し、2002年より画像化した明治期から昭和初期までの書籍を無料で閲覧できる「近代デジタルライブラリー」や、蔵書の検索サービスなどを提供しているが、12年1月よりサービスの一新を発表した。いままで雑誌や新聞など資料の種類や提供元によって検索方法が異なっていたものを、すべて「国立国会図書館サーチ」に一元化し、外部サービスも含めて一度にまとめて検索できるようになる。また、東日本大震災の避難所に張り出された、石巻日日新聞社の手書きの壁新聞もデジタル化して公開した。国立国会図書館のウェブサイト(http://www.ndl.go.jp/)の「電子図書館」→「デジタル化資料(貴重書等)」→「新聞」から閲覧できる。