防災基本計画は、災害対策に関する国の基本的な方針を示したもので、1963年に最初の計画が策定された。計画を作成するのは首相を会長とした中央防災会議で、全閣僚、指定公共機関の長、学識経験者らが参加し、災害予防・事前準備、災害応急対策、災害復旧・復興の手順などを定める。これまで情勢に応じて修正を重ねており、大幅な改定は、阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)の教訓を踏まえて95年に全面修正されたほか、2000年に茨城県東海村のウラン加工施設臨界事故を受けて一部修正が行われた。12年9月6日には東京電力福島第一原子力発電所事故を踏まえ、原子力災害対策を大幅に修正。新たな計画では、(1)首相官邸の意思決定および情報発信機能の強化、(2)緊急時対策所、後方支援拠点、原子力レスキューの整備などの原子力事業者の防災体制強化、(3)緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の予測結果の公表、(4)緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター)の設備基盤強化などを明確にしたほか、緊急事態解除宣言後も、政府が健康相談や除染などに責任を持つ体制を明記した。