アンチエイジング(抗加齢)や美容を目的に、専門医が肌の治療を行う診療科。厚生労働省が実施した2008年4月1日の医療法改正にともない、医療機関が広告できる標榜診療科の一つとして認可された。治療対象とされるのはニキビ、そばかす、ホクロ、イボ、しみ、くすみ、痣(あざ)、小じわ、ムダ毛など。病院によっては、傷跡やケロイド、入れ墨の消去、アトピー性皮膚炎の治療も行う。治療法も内服薬、外用薬、注射といったものから、化学薬品で新陳代謝を高めて皮膚を再生させるケミカルピーリング、特殊光を照射するインテンスパルスライト(IPL)治療、レーザー治療など、高度な技術を要するものまで多岐におよぶ。そのため、皮膚科医によって組織された日本美容皮膚科学会では、美容皮膚科・レーザー指導専門医制度、ケミカルピーリングガイドラインなどを制定して質の向上を図っている。ただし、健康保険の適用範囲外にあたる治療が多いため、料金は患者の全負担になるケースがほとんど。