優れた国際報道活動により、国際理解の促進に顕著な貢献のあった個人に贈られる年次賞。日本新聞協会加盟社およびその関係社に所属する個人が対象。同賞は、1949年1月、UP通信(現UPI通信)副社長マイルズ・W・ボーンと元電通社長上田碩三が東京湾で遭難死したのを惜しみ、翌50年、日米マスコミ界有志が基金を出し合って「ボーン国際記者賞」として創設された。当初運営は日本新聞協会が行ったが、60年にはボーン国際記者賞委員会に移譲。78年には名称も現行名に改称された。歴代受賞者には本多勝一(68年度)、磯村尚徳(78年度)、柳田邦男(84年度)などがいる。2011年3月7日、同賞委員会は、2010年度の受賞者に、毎日新聞外信部の大治朋子記者と朝日新聞中国総局の峯村健司記者を選んだ。大治記者は、北米総局特派員時代のアフガニスタン米軍への従軍取材に基づき、アメリカの対テロ戦争における負の側面に注目した長期連載企画を完成。また、アメリカのメディア事情について深く掘り下げたことも評価された。一方の峯村記者は、取材への規制が厳しい中国で、軍の安全保障政策や、メディア規制、情報政策など未公表の政策について、地道な取材に基づく報道に努めたことが評価された。