イギリスのグラクソ・ウエルカム社(現グラクソ・スミスクライン社)が開発した、吸入用散剤型の抗インフルエンザウイルス剤。一般名はザナミビル水和物(Zanamivir hydrate)。A型およびB型インフルエンザウイルスの表面に存在する、ノイラミニダーゼという酵素を阻害し、ウイルスが感染細胞から遊離したり、気道の上皮細胞へ接近するのを抑える。予防と治療に有効だが、治療に用いる場合は、症状の発現から48時間以内の投与開始が指示されている。C型インフルエンザや、細菌感染症には効果がない。重大な副作用は、アナフィラキシー様症状(即時型アレルギー反応)、気管支攣縮(れんしゅく)、呼吸困難など。また、因果関係は解明されていないが、小児や未成年者が、異常行動などの精神神経症状を発現したという報告がある。日本では医療用医薬品として、1999年に輸入承認され、2000年12月から発売された。09年はタミフル耐性ウイルスの流行を受け、リレンザの需要が急増。グラクソ・スミスクライン社は、日本国内における在庫不足に備え、09年2~4月に200万人分をフランスから緊急輸入すると発表した。