乳幼児のロタウイルス胃腸炎を予防する、日本初のワクチン。医薬品メーカーのグラクソ・スミスクライン株式会社(本社・東京都渋谷区)が、2011年7月に厚生労働省より製造販売承認を取得した。一般名を経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチンといい、病原性を弱めたウイルスのクローン生体から作られている。04年の新発売以来、世界120カ国以上で承認され、09年には世界保健機関(WHO)も接種を推奨している。ロタウイルス胃腸炎は、冬から春にかけて流行する感染症の一つで、下痢や嘔吐(おうと)などの症状をともなう。乳幼児の重症胃腸炎のうちでは最も頻度が高く、日本だけで年間約80万人が発症しているとの推計もある。用法は経口接種で、1回1.5ミリリットルのチューブ入り液を、最低4週間の間隔をおいて2回飲ませる。生後6週から接種が可能だが、遅くとも生後24週までには完了させなければならない。その間、他のワクチン接種を受けた人は、医師が必要と認めた場合を除き、6~27日以上の間隔をあけてから接種することが注意として明記されている。国内発売は11年末ごろの予定で、費用は1回1万円前後かかる。