原因不明の感音難聴が左右両耳に発症し、発作を繰り返しつつ進行する病気。感音難聴(感音性難聴)とは、内耳や聴覚神経の障害により起こる聴力の低下で、音の大小や高低で聞き取りにくさが異なるという特性をもつ。日本では指定難病(特定疾患)とされ、1993年の調査では、全国で年間700人、人口100万人に対し5.6人の患者数が推定された。聴力低下は同時進行とは限らず、左右で症状の程度に差が出ることがある。進行具合も一様ではなく、耳元の大声もほぼ聞こえない高度難聴まで一気に進む例もあれば、徐々に悪化する例もある。その場合、医療機関で薬剤投与などの治療を受けても1年間に平均1デシベル程度、難聴が進行するといわれている。随伴症状では耳鳴りを起こす確率が高い。まれにめまいをともなうこともあるが、めまい発作を繰り返すものは、この疾患からは除外される。原因は不明だが、遺伝的要素の関与や免疫異常などが考えられている。また、発症しやすい年齢層が二峰性であり、若年者と高齢者にピークがあることも判明している。