太陽熱を利用した段ボール製調理器。アメリカのコンピューター会社ヒューレット・パッカードがスポンサーとなり、イギリスのフィナンシャル・タイムズ紙とイギリスの環境保護団体フォーラム・フォー・ザ・フューチャーが開催した地球温暖化防止のコンテスト「FT Climate Change Challenge」で、2009年4月9日、約300件の応募の中から大賞に選ばれた。開発したケニアのノルウェー人起業家ジョン・ボーマーには、賞金7万5000ドルが贈られる。この調理器は、2個の段ボール箱と透明アクリル板でできており、制作費はわずか5ドル。段ボールの内側を黒く塗ることで効率的に太陽光を集められ、2時間で10リットルの水を沸かすことができる。ガスや電気のない発展途上国では、今でも火をおこすための薪(まき)を集めるのに、重労働を強いられている人が数十億人もいる。Kyoto Boxはこのような負担を軽減するために開発され、森林伐採や温室効果ガス排出の削減にもつながるとして、京都議定書にちなんで命名された。ケニアのナイロビにある段ボール工場で生産を開始しているという。太陽熱を直接利用した調理器は、一般にソーラークッカー(solar cooker)と呼ばれており、Kyoto Boxのような箱形のものや、パラボラアンテナ型のものなども開発されている。