ペット(PET)ボトルのキャップをリサイクル資源として集め、医薬品が不足する開発途上国の子どもたちに、ワクチンを配布するもので、エコキャップ推進ネットワークを中心に、2005年から始まった市民運動。ペットボトルは、軽量で低コストな飲料用容器として使われ、指定表示製品(清涼飲料、しょうゆ、酒類、乳飲料用)だけでも、年間生産量は06年実績で、約250億本、重量にして53万8484トン(PETボトルリサイクル推進協議会)にも及び、リサイクル率は65.6%と高く、再資源化率は37%である。しかしこれはペットボトル本体のみで、キャップは不燃ごみや一般ごみに紛れて、埋め立てられたり燃焼されるなど、リサイクルのラインからはずれるケースが多い。エコキャップ運動は、学校や地域のボランティア活動で集められたキャップを再資源業者に売却し、その売却益をワクチン代として日本赤十字に寄付する仕組みである。キャップ1kg(約400個)は10円とされ、これまで262万2681個(07年10月16日現在)が回収された。一人分のワクチンは、ポリオが約20円(はしか・おたふく風邪・風疹の混合ワクチン114円、BCG7円)であることから、およそ330人分のポリオワクチン分に相当する。