パソコンなどで作成、保存した文字、写真、図を投影する、ホワイトボード状の電子機器。メーカー、製品によって異なるが、投影した文字、写真、図を拡大、縮小したり、線の太さや色を変えたりすることができる。ボードに書き込んだ文字を保存することもできる。プレゼンテーション用機器として企業での採用が先行したが、近年ではICT教育(情報通信技術を用いた教育の意味で、information、communication、technologyの頭文字)の一環として、学校の授業での利用が増加。従来、学校で使われていたOHP(オーバーヘッドプロジェクター)は、教師が操作のためにスクリーンから離れる必要があるが、電子黒板は、ほとんどの操作をボード上で行うため、指導に集中できるとされる。文部科学省「学校における情報教育の実態等に関する調査」では、2003年3月時点の導入台数は全国で3637台だったが、08年3月には小学校7357台、中学校3186台、高校1680台など、計1万2544台に増加しており、09年度から試行実施されている小学校の英語必修化では、文部科学省が開発した電子黒板用のソフトが全国の小学校に配布された。麻生太郎内閣が09年4月に発表した経済対策「経済危機対策」では、全国約3万2000校の全公立小中学校に電子黒板を設置することを含む「学校ICT化事業」として、4000億円の予算措置が盛り込まれた。