文字通り、100日近い長期間にわたって、激しいせきが続く病気。せきやくしゃみなどにより、百日ぜき菌が飛散して感染する。初めは風邪のような症状だが、次第に激しいせきの発作が続き、乳幼児がかかると、激しいせき込みの末、呼吸困難やけいれんを引き起こし、脳症になったり、命にかかわる場合もある。治療には主として抗生物質が処方され、ワクチン接種が予防に効果的だが、3カ月未満の赤ちゃんには接種できない。「子どもの病気」とされていた百日ぜきだが、2007年5月から7月にかけて、香川大学や大阪府立大学、高知大学医学部などで、学生らの集団感染が確認された。成人の集団感染はきわめて異例なケースで、原因は特定できていないが、抵抗力のない赤ちゃんにうつさないためにも、「たかがせき」と侮らず、早期に治療を受ける必要がある。