空港内で、航空機がほかの機が使っている滑走路に誤進入し衝突する事故を防ぐため、国土交通省が2009年度からの導入を決めた新システム。複数のアンテナで航空機が発する信号を受信、現在の位置を正確に把握して、危険を察知すると管制官やパイロットに警告を出すというもの。このシステムの導入には、(1)空港面探知レーダー(ASDE)がカバーできない領域(ブラインドエリア)の監視が可能になる、(2)航空機便名の画面表示が可能になる、(3)悪天候でも性能が劣化しない、(4)航空機側の追加装備など改修が不要などの利点がある。誤進入が原因で航空機同士が接触するというトラブルは、03~07年までの5年間で10件発生しており、重大事故につながりかねないこうしたトラブルを、MLATの導入によって半減させることがねらいである。羽田、成田、関西など発着回数の多い空港から順次本格運用される。