脳死臓器移植に際し、臓器の移植に関する法律(臓器移植法)で義務づけられた、脳死の判定。必須項目は、(1)深い昏睡(こんすい)、(2)両眼の瞳孔径が4ミリ以上で固定、(3)脳幹反射の消失(強い光を当てても瞳孔が縮まない、角膜に触れても瞬きしない、首に痛みを与えても瞳孔が散大しない、頭を振っても眼球が反応しない、耳に冷水を注いでも眼球が反応しない、咽頭を刺激しても筋肉の収縮がない、気管を刺激してもせきが出ない)、(4)平坦脳波、(5)自発呼吸の消失の5項目で、まず(1)~(4)を満たすと臨床的脳死と診断される。法的脳死判定は、この後、本人が臓器提供の意思を事前に示していたことを条件に実施されるが、2009年の法改正により、本人の意思表示が不明でも、家族の同意があれば行えるようになった。また、15歳未満の小児に関する除外例も廃された。判定は、2人以上の医師が、(1)~(5)の項目を、6時間以上の間隔をあけて確認。2回とも全基準を満たした時点で、脳死とする。判定には脳神経外科医、神経内科医、救急医、麻酔・蘇生科・集中治療医で所定の資格をもつ者、脳死判定に関して豊富な経験をもつ者が当たり、臓器移植に関与する者は除外。提供者の家族は、希望により判定に立ち会える。