震災による断水などで水洗トイレが使えなくなった場合に、下水マンホールの上に設置し、し尿を下水に直接流す仕組みの災害用トイレ。下水管に直結するマンホールの上に簡易便座を据え付け、周りをテントやパネル式ハウスで囲む。仮設トイレのメーカーなどが販売している。従来の貯留式の仮設トイレは、使用期間が長引くと、し尿回収が追いつかなくなるおそれがあることから、地方自治体が公園や学校などの避難場所に、マンホールトイレを備えておく動きが広がるようになった。たとえば大阪市では、市内の広域避難場所の約1300カ所にマンホールトイレを整備している。さらに最近では、民間のマンションが導入するケースも増えているという。ただし、地震にともなう地盤の液状化現象によって地中の下水管が浮き上がり、マンホールが隆起してしまうといった事態も起こりうるため、地盤や下水道の耐震化整備まで行う必要があると指摘されている。