自殺実態解析プロジェクトチームが、警察庁の統計に基づいて、自殺の特性を地域別に分析したもの。日本では、2006年に自殺対策基本法が成立しているが、1998年から10年連続で自殺者が年間3万人を超えるなど、有効な対策は講じられていないのが実情。白書は、都道府県別に発表されていた自殺のデータを、警察署単位で動機別や職業別、年齢別などに整理し、より具体的な対策を可能にした。全国で最も自殺件数が多いのは、山梨県の富士吉田署管内で、2004~06年に389人。また自殺者は、うつ病、家族の不和、負債などのうち、平均して四つの要因を抱えている。遺族からの聴き取り調査も行われ、調査に応じた遺族の25%が、警察の対応に不満を持っていることも判明した。自殺実態解析プロジェクトチームは、NPO法人の自殺対策支援センターライフリンク、弁護士、医師、大学関係者らで作る民間の任意団体で、08年4月に発足。白書はライフリンクのホームページでも閲覧できる。