国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在する宇宙飛行士に食料や衣料、実験装置などを補給するため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した有人対応が可能な無人宇宙船。全長9.8m、直径4.4mで、補給キャリア与圧部、補給キャリア非与圧部、曝露パレット、電気モジュール、推進モジュールから構成され、最大6tの補給物質をISSに運搬し、補給後は不要品を積み込んで大気圏に再突入して焼却廃棄される。通常は無人補給機として運用されるが、有人宇宙船への転用も可能な設計となっている。これまでのISSへの補給手段としては、NASA(アメリカ航空宇宙局)のスペースシャトル、ロシアのプログレスM1物資補給船、ESA(欧州宇宙機関)のATV(Automated Transfer Vehicle)などがあるが、2010年に予定されているスペースシャトルの退役後には、船内用・船外用の物資輸送に使える唯一の大型補給機として期待されている。JAXAでは、ISSへの補給手段を確保するとともに、この運用によって有人宇宙システム技術の習得と蓄積を目的としている。打ち上げには、H-2Aロケットの打ち上げ能力を増強して開発されたH-2Bロケットが使われる。09年9月11日、HTV-1技術実証機を搭載したH-2Bロケット試験機の打ち上げに成功。HTVは打ち上げ後7日間をかけてISSに最接近し、9月18日にISSのロボットアームに捕捉され、第2接合部「ハーモニー」に接合された。