長崎大学先端計算研究センターの浜田剛准教授(情報工学)のチームが開発したスーパーコンピューター。市販されている安価なGPU(画像処理装置)を大量につなぎ合わせるなどの方法によって、通常は数十億円かかるスパコンの開発費用を約3800万円に抑えることに成功した。DEGIMAの名は大規模GPUクラスターを意味する英語の頭字語と、長崎市の観光名所である出島にちなむ。浜田准教授のチームは2009年に毎秒158兆回の計算速度を実現し、スパコン分野のノーベル賞とも言われるアメリカ電気電子学会(IEEE)のゴードン・ベル賞(価格性能部門)を受賞した。その後、さらに改良を加えて計算能力を毎秒190兆回にまで高め、10年11月18日に2年連続でゴードン・ベル賞に輝いた。改良後のシステムは、アメリカのNVIDIA(エヌヴィディア)社製GPUが並列に576台接続されている。DEGIMAは現在、天体物理学や分子生物学の応用研究に活用されているほか、三菱重工業長崎造船所との共同研究で船体の構造解析にも応用されている。