2011年7月に最後の飛行を終えたスペースシャトルの後継として、NASA(アメリカ航空宇宙局)が11年9月に開発計画を発表した新型ロケット。再利用できたスペースシャトルと異なり、アポロ宇宙船を月に運んだサターンロケットと同様の使い捨て型2段ロケットで、液体水素と液体酸素を燃料とするエンジンを採用する。スペースシャトルの積載量が約25トンだったのに対し、最大130トンの打ち上げ能力を目指す。17年に無人で試験飛行を実施した後、21年までに有人飛行、25年までに小惑星への有人探査を行い、30年代には火星へ人間を送り込むことを目標としている。スペースシャトルのエンジンや燃料タンクなど多くの技術を再利用し、開発費用は100億ドル(約7700億円)。SLSで打ち上げる宇宙船として、NASAは11年5月、4人乗りの「多目的有人宇宙船」(MPCV ; Multi-Purpose Crew Vehicle)の概要を発表している。