DNA(デオキシリボ核酸)をインクに混入する印刷方法で、恒信印刷株式会社が開発した。混入するDNAは、J-ARM社が依頼者の用意した毛髪や皮膚から処理を行って抽出し、鑑定書も発行される。そのDNAを独自のインクに混ぜ、専用の印刷機で印刷する。DNAの抽出量が限られていることや、特殊な技法を用いることから、大量生産には向かず、通常では100部ぐらいが限度となるうえ、印刷範囲も約2cm×4cm以内となる。そのため、現状では、自費出版の書籍が主な対象となり、表紙の著者名の部分に「DNA印刷」が適用される。価格は、印刷や製本の料金を除いて約30万円となり、納期は1カ月~1カ月半を要する。毛髪や爪の提供量を増やせば、部数を増やせるうえ、動物のDNAでも対応が可能という。印刷されたDNAは、インクごと削り取れば、読み取りが可能となるため、絵画や遺言状などの偽造防止に役立つ可能性もあるうえ、タレントの写真集などに付加価値を与える効果も望める。