北海道大学大学院の永田晴紀教授を中心に、NPO法人の北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)や北海道工業大学、植松電機などが共同で開発を進めている北海道産のハイブリッドロケット。CAMUI型ロケットとも呼ばれる。正式には「CAMUI(カムイ)型ハイブリッドロケット」という。ロケットは、燃料と燃料を燃焼するための酸化剤の組み合わせで、固体ロケット(固体燃料ロケット)、液体ロケット(液体燃料ロケット)、ハイブリッドロケットなどに分けられる。ハイブリッドロケットは、固体燃料と液体酸化剤を使ったロケットで、低コストで安全性が高いことから、近年、盛んに開発が進められているが、燃料の燃える速度(燃料後退速度)が遅いため、ロケットを持ち上げる力である推力が低く、実用化には至っていない。CAMUIロケットは、固体燃料に燃焼ガスの衝突をくり返すように工夫した新しい方式を発案・採用し、高推力化に成功した。この方式を縦列多段衝突噴流(Cascaded Multistage Impinging-jet)方式といい、略してCAMUIという。2009年3月16日、十勝管内大樹町でCAMUIロケットの打ち上げ実験に成功。今回の打ち上げは、北海道大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発中の次世代ロケットエンジン「エジェクタロケット」の性能試験を目的としたもの。CAMUIロケットの打ち上げ実験は02年から続いているが、宇宙開発技術の実験で使用されたのは初めてで、実用化への大きな一歩となり、注目を浴びた。