世界中の大学入学以前の中等教育課程にある学生(日本では高校生に相当)を対象とした科学技術に関する国際的なコンテストで、知のオリンピックとも称される。全世界から科学的な才能に恵まれた子どもたちを選出して才能を育てることを目的としている。1959年にルーマニアが主催国となり、ハンガリー、ブルガリア、ポーランド、チェコスロバキア、東ドイツ、ソ連(当時)の数学好きの子どもたちを招待して開いた数学オリンピック(IMO)が始まりで、以降、物理オリンピック(IPhO 67年から)、化学オリンピック(IChO 68年から)、情報オリンピック(IOI 89年から)、生物(学)オリンピック(IBO 90年から)が、各年一回、参加国の持ち回りで運営されている。全科目を共通して約5時間にわたる理論問題と、物理、化学、生物では実験問題が出題され、参加者は個人戦として競う。総合成績の上位の者から一定の割合で、金(上位10%)、銀(次の20%)、銅(次の30%)のメダルが授与される。国際科学オリンピックでは、かつては日本からの出場者が上位の成績を収めていたこともあったが、最近では欧米を始め、とりわけ中国、韓国、台湾、シンガポールなどのアジア勢が突出している。しかし2009年は、日本から出場した選手が数学、物理、生物において金メダルを獲得するなどの成績を収め、「理科大国日本」の復活を期待させるものがあった。