近い将来、人間に代わって家事や介護などを担う、働く人間型ロボットの研究開発用プラットフォーム。独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)と、川田工業株式会社(本社・東京都北区)が共同開発を行い、2010年9月に一般公開された。ベースには産総研が09年に開発した、等身大女性の外観をもつサイバネティックヒューマン(HRP-4C)を用い、そのシリーズモデルであるHRP-2、HRP-3で培った人間協調・共存型ロボットのコンセプトおよび開発技術を継承。さらに今回は、物体操作をより滑らかにするよう、片腕に7軸、全身で34軸の自由度(関節軸数)をもたせ、フレームにアルミニウム合金を使用して、身長151センチ、重量39キロというスリムなボディーを実現した。すべての関節軸には、安全性に配慮して80ワット以下の低出力モーターを採用し、歩行動作のほか、片腕で0.5キロまでの物体を持ち運ぶことができる。制御システムも国内外の様々なロボット用ソフトウエアを利用でき、背面には機能拡張のための小型ノートPCが搭載可。基本性能を向上させつつ、仕様の最適化、部品の共通化や簡素化で、価格を抑えた点でも注目されている。当面は1体2600万円で内外の研究機関に提供される。