太陽、月、地球が一直線に並び、太陽が月に完全に隠れる現象。月は地球の周りを、地球は太陽の周りを公転しており、日食は昼間、月が地球から見上げた太陽を遮るために起こる。太陽より月の見かけ上の大きさが大きく、太陽をすっぽり覆う現象が皆既日食。月が太陽を部分的に隠す現象が部分日食である。皆既日食が見られる地域を皆既帯というが、皆既帯の中心に近いほど太陽は大きく欠けて見える。また、皆既になる直前と直後には、太陽の光が一瞬だけ漏れてダイヤの指輪のように光るダイヤモンドリングという美しい現象も見ることができる。2009年7月22日、鹿児島県のトカラ列島を中心に、種子島南部、屋久島、奄美大島北部などで皆既日食が観測できる。今回の日食継続時間は最大で6分44秒と今世紀最長。日本の陸地で観測できるのは1963年7月21日に北海道東部で見られて以来、46年ぶりとなる。皆既帯の中心線に位置するトカラ列島の悪石島では10時53分から日食が始まり、継続時間は6分25秒。また、皆既帯に入らない札幌でも太陽の半分くらい、東京で7割、大阪で8割、福岡で9割ほど欠けた部分日食を見ることができる。次回の日本での皆既日食は、26年後の2035年9月2日、中部から北関東で見られる。