大雨、熱波、干ばつ、台風やハリケーンを含む熱帯低気圧など、極めてまれに起こる気象現象のこと。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の評価報告書で記述されている「extreme event」に対応する気象用語で、「極端な現象」とも訳される。一般的には「異常気象」という言葉が同義で用いられているが、国際的には異常気象についての基準はなく、気象庁により「ある場所(地域)で30年に1回程度発生する現象」と定義されているものである。いっぽう極端現象は、30年に1回という基準に限らず比較的頻繁に起こる現象をさす。2007年に発表されたIPCCの第4次評価報告書では、気候システムに温暖化が起こっていると断定し、また人為起源の温室効果ガスの増加が温暖化の原因であるとほぼ断定している。高温や熱波、大雨の頻度が、20世紀後半以降に増えた可能性が高いと指摘。さらに干ばつの影響を受ける地域や、強い熱帯低気圧の数が、1970年以降に高くなっている可能性が高いとし、極端現象のリスクはますます増加するだろうと懸念している。