葬儀に関する知識や技能を審査し、葬祭ディレクター技能審査協会が実施する試験に合格した人に与えられる資格。葬祭ディレクター技能審査は、1996年に厚生労働省(当時は労働省)の認定を受けて発足。試験は学科と実技とがあり、葬儀の受注から会場設営、式典運営に至るまでの知識と技能が試される。個人葬を対象とする2級と、社葬を含めたすべての葬儀を対象とする1級とがある。受験資格として、1級には5年以上、2級には2年以上の葬祭実務経験などが求められる。学科試験では、葬儀実務に加え、公衆衛生、法律、宗教などの関連知識が問われる。実技試験では、葬儀の司会、進行や、遺族、関係者への応対、式場設営の基礎技術である「幕張(まくはり)装飾」(白布で規定間隔のひだを作り、焼香机を完成させる)などが評価される。認定された葬祭ディレクターは、2009年度までに2万人を超えている。高齢化や葬儀形態の多様化などを背景に、葬祭業界は市場を拡大しており、近年受験者が増えている。