“世界最大の花”といわれる、サトイモ科コンニャク属の植物。インドネシアのスマトラ島原産。別名スマトラオオコンニャク。スマトラ島の絶滅危惧種であり、野生でも数年に一度しか開花しないと言われている。2010年7月22日午後、東京都文京区にある東京大学付属小石川植物園に植栽されているショクダイオオコンニャクが開花した。日本での開花例はこれまで5例とごくわずかで、同園では1991年以来19年ぶり。その時に開花した個体は枯れてしまい、あたらしく花芽をつけたのは、93年に入手した別の個体である。“花”と言われるものは正確には、太い軸の周りに小さな雄花と雌花が集まったもので、それを取り囲む花びらのように、葉が変形した仏炎苞(ぶつえんほう)が上向きに大きく開いている。また軸の先は太くて大きな附属体になっていて、このような花の集まりを花序と言い、一つの花と同じ働きをしている。附属体と仏炎苞の組み合わせが、ろうそくを立てた燭台のようであることからこの名前が付けられた。一つの花で世界最大とされるのは直径1メートルにもなる寄生植物ラフレシア・アーノルディ(Rafflesia arnoldii)だが、ショクダイオオコンニャクは花序の大きさで世界一となる。最大級で、開いた仏炎苞の直径が1.3メートル、附属体先端までの全体の高さが3.3メートルにもなるが、今回開花したものは直径約80センチメートル、高さ1.5メートルと小ぶり。開花すると、虫に受粉させるため、腐った肉のような強烈な悪臭が放出される。開花してからの寿命はわずか2~3日。同園では、開花後3日目の7月25日に花序付属体が倒れて開花が終了した。