パソコンのキーボード入力時の癖や特徴を識別して、個人を認証する技術。キーを押してから離すまでの時間や、次のキーを押すまでのリズムなど、事前に登録された打ち方データと照合して本人確認を行う。指紋や虹彩の照合などと同じく、生体認証技術(バイオメトリクス)の一種に分類される。日本ではNTTコミュニケーションズが、この技術を利用した本人性確認サービス「キータッチパス」を開発し、2010年6月に北里大学と共同でe-ラーニング(遠隔講義)への適用性を検証する実証実験を開始。同社は10年8~9月に明治大学でも実証実験を行った後、10年度中に国内初となるキーストローク・ダイナミックス認証技術の商用サービス提供開始を目指している。e-ラーニング受講時やオンライン試験での「なりすまし」などを防止する効果のほか、コピーした文章を張り付けるコピー・アンド・ペーストなどの不正行為も見抜けるようになる。また指紋認証やICカードなどと違って特別な機器は必要なく、パソコンにソフトをインストールするだけで利用できるため、利便性とコスト面でも利点をもつ。