東京電力福島第一原子力発電所事故で生じた放射性物質による汚染を取り除くための基本方針。政府の原子力災害対策本部が2011年8月26日に決定した。除染についての法律が整備されるまでの緊急措置として、除染実施の目標や、進め方などを定めている。原子力災害対策本部が出した試算によると、放射性物質の物理的減衰や、風雨などの自然要因による減衰(ウェザリング効果)により、年間被曝(ひばく)線量は2年間で約40%減少する。基本方針では、そうした自然要因による減少に加え、除染によって約10%減少させることを目標とし、学校や公園など子どもの生活環境においては、約20%の削減を目指す。立ち入りが制限されている警戒区域や年間被曝線量が20ミリシーベルトを超える計画的避難区域については、国が除染を実施する。年間被曝線量が1~20ミリシーベルトの地域では、「市町村による除染実施ガイドライン」に基づき、各自治体が除染計画を立て、実施にあたっては、国が財政支援や専門家派遣などの支援を行う。除染で生じる汚染土壌やがれきの処理については、当面の間、排出元の各自治体などに仮置き場を設け、国が処分場などの建設を早急に進める。