バイオハザード(生物危険災害)における、ウイルス、細菌などの微生物(病原体)の危険性を表すレベル。病原体などの微生物を取り扱う研究者の過失によって、研究施設など管理区域外へ漏れ出ることを防止するために、危険度に応じて微生物を分類しており、この分類法による危険性の度合いを、バイオセーフティー・レベル(生物危険度レベル)、通称BSLという。日本では、国立感染症研究所が、WHOの「Laboratory biosafety manual」(3rd edition 2004)に基づいて、「病原体等安全管理規程」(第3版)を策定している。レベルは1~4までの段階に分けられ、それに応じて適切な実験施設を作る必要がある。BSL1は最も危険性の低いもので、ワクチンを除く弱毒生ワクチン、ウイルスなど、BSL2は中程度の危険性で、インフルエンザやブドウ球菌、サルモネラ菌など、BSL3は危険性が高いもので、高病原性鳥インフルエンザや炭疽菌、HIVウイルス、ブルセラ菌など、BSL4はきわめて危険性が高いもので、エボラウイルスやマールブルグウイルス、天然痘ウイルス、黄熱ウイルスなど、となっている。BSL1と2を扱う施設は基本実験室であるが、BSL3と4は封じ込め実験室で行われ、とりわけBS4は、独立した建物の二重扉で、エアロックにより外部と遮断され、床と壁は洗浄が可能なもので、換気も高気密性を要し、実験作業もキャビネットのなかで行うか、バイオハザード用の防護服を着用して行うことになっている。