民間宇宙旅行の商業化を目指しているイギリスのヴァージン・グループが、2009年12月に発表した宇宙飛行船。宇宙空間に滞在するわけではなく、地球上100kmに到達してそのまま地上に戻るという点では、有人弾道飛行用宇宙機と表現したほうが正しい。スペースシップ2は、乗客6人とパイロット2人の乗り込み可能な全長18m、幅13mの有翼宇宙船で、親機のホワイトナイツ2(WhiteNights 2)に抱きかかえられるように飛び立ち、上空15kmで切り離されて自前のロケットエンジンで上昇して、地球と宇宙の境界といわれる高度100kmまで達する。乗客は無重力(ゼログラビティー zero gravity)を体験し、窓から地球を眺めることができる。2つの胴体に4基のエンジンを搭載した幅42mのホワイトナイツ2は、スペースシップ2のみならず、小型の人工衛星の打ち上げも可能だとしている。この両機は、04年に民間の宇宙船の開発事業を促す目的で設けられたアンサリXプライズ(Ansari X Prize)で賞金1000万ドルを獲得した、スケールド・コンポジット社が開発したスペースシップワンとホワイトナイツワンの改良版である。スペースシップ2による宇宙旅行は、11年には実現し、旅行代金は事前訓練費用も含めて一人約200万ドル(1790万円)とされており、既に300人以上の申し込みがあり、日本人も数人が予約している。