地質学的に重要度の高い地域やそれを含む自然公園を地質遺産として保護し、しっかりとした運営・管理組織のもとで自然観察路やガイドなどが整えられた地域を指す。ジオ(geo)は、地球や地を意味する接頭語。2001年、ユネスコ執行委員会で世界各国のジオパーク推進活動の支援が決定し、04年に「世界ジオパークネットワーク」(GGN)が設立された。各国の地質遺産を研究対象としてだけではなく、組織化して管理・保護・整備することで、新たな教育や観光の場として地域振興に生かすことを目的としている。世界ジオパークとして認定されるには、各国のジオパークネットワークの推薦を受け、世界ジオパークネットワークの審査を受ける必要がある。08年11月現在、18カ国57カ所が世界ジオパークに認定されており、フランスのリュベロンや中国の黄山などがある。日本では、07年12月に「日本ジオパーク協議会」が設立され、08年10月、洞爺湖と糸魚川、島原半島の3地域を世界ジオパークネットワークに推薦することを決定した。09年夏ごろに審査結果が出る予定。また、この3地域は、同時に日本ジオパークとして08年12月に正式認定される。なお、世界遺産との違いは、多国間の条約がないこと、一部活用が認められていること、ユネスコの支援下にはあるが、ユネスコのプログラムではないことなどが挙げられる。