2010年4月14日に、中国青海省を襲ったマグニチュード(M)7.1の地震。震源地は同省玉樹チベット族自治州の中心都市玉樹県付近で、震源の深さは約14km。インドプレートがユーラシアプレートを強く圧迫してできたチベット高原に位置し、インドプレートの活動が今も続くため、世界有数の地震多発地帯とされる。隣接する四川省でも、08年に四川大地震が起きている。今回の地震を起こしたのは、全長約800kmにも及ぶ「鮮水河断層」の北西端で、約40kmがずれたと推定されている。州の人口は約27万人、うち玉樹県は約8万人。住民の97%がチベット族で、北京標準時でなく現地時間を採用しており、地震発生時は午前5時49分。多くの住民はまだ就寝中だった。伝統的な日干しれんがの建物が多く、同県では住宅の約8割が倒壊。多数の住民が下敷きになった。15日現在617人とされた死者は1週間で2100人を超え、行方不明者も84人、被災者は10万人に上った。08年のラサ動乱以来、政府への不満がくすぶる地域だけに、中国政府は地震発生直後に600人の救助隊を派遣。翌15日には温家宝首相、18日には胡錦濤国家主席も現地入りし、消防隊や武装警察など約5000人を投入して救助活動を行っているが、標高3700m前後の高地で交通事情が悪く、気温は氷点下、強風が続き、隊員に高山病なども発生して救助を困難にしている。