耐冷性、耐熱性を持ち、強酸性、強アルカリ性など、一般的な生物にとっては極限環境とされる環境下でのみ増殖が可能な微生物の総称で、極度環境生物、極度環境微生物ともいう。生物が生存するには、それに適した一定の環境条件が不可欠で、それを離れて、一般的には生物は存在できない。ある生物にとって最も増殖しやすい環境を至適生育環境という。たとえば摂氏60度を超えて生存可能な生物はほとんどないが、熱を好む好熱細菌は55度以上、高度好熱細菌は75度以上、超高温細菌に至っては90~100度と、至適生育温度は一般的な微生物より高い。一方好冷細菌は5度を超えると酵素が働かなくなり、30度以上では活動できない。好酸性細菌はpHが2~3で増殖する細菌で、好アルカリ性細菌は、pHが10~11で増殖する。このほか、高塩分を好む好塩菌や、高圧力を至適生育環境とする好圧菌や、酸素がないことを至適生育環境とするものや、放射線に強い放射線耐性菌などの微生物もある。こうした微生物の多くは古細菌ともいわれ、それぞれの至適生育環境が、原始生命が誕生した時の地球の環境に近いとの指摘もある。